ギークカアチャン

エンジニアとカアチャンの隙間に

読書記録

 相変わらず、読書は続けています。読書の時間は、自分でじっくり考えることができる貴重な時間なので、とても楽しいです。

 

エデンの東 新訳版 (1)  (ハヤカワepi文庫)

エデンの東 新訳版 (1) (ハヤカワepi文庫)

 
エデンの東 新訳版 (2)  (ハヤカワepi文庫)

エデンの東 新訳版 (2) (ハヤカワepi文庫)

 
エデンの東 新訳版 (3)  (ハヤカワepi文庫)

エデンの東 新訳版 (3) (ハヤカワepi文庫)

 

 エデンの東で有名なのは映画に主演したジェームスディーンのイメージで、私はそこからなんとなく若者特有の反抗期の話かなーって思ってました。小説は文庫本で全4巻なのですが、この中で映画化されたのは実は4巻目だけなんですね。ごく一部なんです。そして小説は3世代またがって100年ぐらいの間の壮大なお話です。

 なので登場人物は多いんですけど、一貫して愛に気づかない者、愛されてないと悩んでる者との対比で描かれ、その宿命からどうやって逃れるかってとこで話が進んで行きます。そして最後には少しの希望をともなうカタルシスがあって終わります。こう書くとあんまり面白そうじゃないんですけどw、実際はめっちゃくちゃおもしろかったです。

 特に中国人召使のリーが旧約聖書に載ってる「Timshel」というヘブライ語を解釈するくだり、とても面白かった。この言葉は色んな風な解釈があるけれど、読者がどう解釈するか(またはどう解釈するように目指すか)かで、この小説が読者に与える影響力が大きくもなり小さくもなると思います。リーの解釈、アダムの解釈、キャルの解釈。そして読んでるあなたの解釈は?と問いかけられているようです。自分ならどう解釈するだろう。

 もしキャシーがこの言葉を知っていたら…と想像してみたけど、たぶん空虚なキャシーはどう頑張っても表面的な解釈しかできなかったのかなって思いました。能力はあるのに一度も自分と向き合えなかったかわいそうなキャシー。

 過ちに縛られてる時、愛に翻弄された時、絶対的な悪に対峙した時、運命のような抗えないと感じる大きな力と向き合う時などに、行き詰まった読み直すと得られるものが沢山ありそうです。

 

禁断のパンダ 上 (宝島社文庫 C た 4-1)

禁断のパンダ 上 (宝島社文庫 C た 4-1)

 
禁断のパンダ 下 (宝島社文庫 C た 4-2)

禁断のパンダ 下 (宝島社文庫 C た 4-2)

 

 軽い小説が読みたくて手に取りました。元フレンチシェフが書いただけあって、料理の描写はとても美味しそうです。フレンチが食べたくなりました。

 

 これ凄い好きです。

 元々はSF作家なジェームス・ティプトリー・ジュニアの書いた幻想小説なんですけど、ユカタン半島にあるキンタナ・ローというところが舞台です。古い遺跡がたくさんあり海がとっても綺麗で、ダイビングを目的とした人々が集まるリゾート地です。原住民と観光客が入り交じる中、毎年やってきて原住民と仲良くなりかけた小説家が、原住民に伝わる幻想的な話を聞くという流れで話は進んで行きます。以下の4編が収められいて連作です。

  • キンタナ・ローのマヤ族に関するノート
  • リリオスの浜に流れついたもの
  • 水上スキーで永遠をめざした若者
  • デッド・リーフの彼方

 この幻想的な話から海の持つ不思議で巨大な力の存在を垣間見ることができます。誘惑したり恐怖を味わせたり引き込んだり。ティプトリーは現実でも何か別の巨大な力の存在を感じていたのでしょうか。もしくは死への誘惑と憧憬?ティプトリー自死の2年前の作品です。

 これ映画化してほしいけど、映像化難しいだろうなあ…。

 

スクラップ・アンド・ビルド

スクラップ・アンド・ビルド

 

 羽田さんって最近テレビにたくさん出てるじゃないですか?そこで「単行本買ってください。雑誌買われても印税は入らないので単行本買ってください〜!」と猛烈アピールされてたので、つい買っちゃいました。キャラクターも立ってるのでこういう作家さんってどういう話を書くんだろ… という興味もありました。

 感想は変わってるなあコレ…って感じです。すごい主人公が変人です。でも私も変人の要素があるので、自分の変なところにコンプレックス持たずに、そのまま素直に自分のペースで生きてっていいんだなあと思いました。なんか変な感想ですみませんw

 でもこの変さは作者の恣意的なものかどうかなのは気になるなあ。もう1冊くらい読んでみたいなと思いました。

 

アイネクライネナハトムジーク

アイネクライネナハトムジーク

 

 Amazonのセールで無料か何かだったので。伊坂幸太郎さんの作品って初めてなんですが、なんとなく笑えるハードボイルドなイメージでした。読んでみたらふわふわした恋物語でした。人生に肯定的になれる感じ。

 

すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)

すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)

 

 男性向けの恋愛指南書ですがAV監督さんが書いています。これすごい面白くて、なにが響いたのかっていうと、「自分の渇望するものはほんとうは何か」とか「自分の好きなものはちゃんと好きなものであるか」とか割と哲学的なところでした。あとモテたあとに感じる罪悪感の正体についても分析してて面白い。私はあまりモテた経験なかったので知らないんですけど、モテたら罪悪感って感じるものなんだ…!ていうのはとても新鮮でした。しかし男性はキャバクラとかあっていいなあ…!

 これと対になるエッセイで「なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか (文庫ぎんが堂)」という女性向け本も出てるようなんで近々読んでみます。モテ指南書とか独身の時は全く読まなかったけど既婚子持ちになってから読むと言うのもおもしろいなあ。

 

昏倒少女 (マーガレットコミックス)

昏倒少女 (マーガレットコミックス)

 

 少女漫画の短編集です。この作者さん、一貫して「世界がガラリと幸せに変わる瞬間」を題材にされていてそれがすごいというかうまいなあって思います。まあ正直恋愛ものの漫画とかはほんと興味なかったんですけど、それを上回るぐらい視点が変わる瞬間が心地いい。おすすめ。あ、この作者の作品は近いうちに映画化されると予言しておきます。

 

 

 個人的に出産後の一貫したテーマとして「自分の”好き”は何か?」というのがあります。自然とそういうテーマを扱う本が多くなりました。しかしまだまだ模索中…。

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