ギークカアチャン

エンジニアとカアチャンの隙間に

産後の育児の大変さ

漫画喫茶でふと手にした「ぢごぷり」って本を読みました。 最初はげんしけん書いた人って女のひとだったん、的な感じでなんとなく。結論からいうととても面白かった。

 

ぢごぷり(1) (アフタヌーンKC)

ぢごぷり(1) (アフタヌーンKC)

ぢごぷり(2) <完> (アフタヌーンKC)

ぢごぷり(2) <完> (アフタヌーンKC)

 

そしてあまりのリアルな心理描写にびびりました。よくここまで書いたな。育児ってだいたいこんな暗黒感情にも苛まれる感じです。漫画なんで一応エンターテイメント性はありますが、まあほぼ添え物程度です。

 

「(泣きわめいてる子に向かって)死ぬか寝るかどっちにしろ」「母性なんて本能じゃない」とか暗いセリフがどんどんでてきます。コレは母親がひどいんじゃなくって、出産後の育児はそこまで言わせるほどの極限状態になるということです。

 

ミソは夫がおらず、心打ち解けた双子の妹が育児の手伝いをするというシチュエーションかな。夫がいると、夫が大好きな人ほど夫のいる前でこの手の暗いセリフは吐けないですもんねえ。おかげで育児の知られざる現実のみフォーカスできてる感じです。

 

私も出産直後の今となってはめちゃ共感できますが、男性や子どもを持たない女性、子どもを産んでしばらくたった女性はまったくわからないんじゃないかなあ。育児系読み物のうち今までの中でダントツでリアルだけどネットでわりかしたたかれとる。でもだいたい現実はあんな感じな気がするんだけどな。

 

なので、読者を限定した題材を、アフタヌーンというその読者層以外の媒体で、しかも今まで誰も書かなかった現実を描写した木尾士目はとてもチャレンジングなことをしたと思う。まじすごい。よく書いた。まじえらい。表現者とはかくのごとし。

 

追記:あとで知ったのですが、作者は男性でした。男性だからかけたのかな。